てんぷくプロ公演記録

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1985年(昭和60年)    
 3月 旗揚げ公演演 月蝕歌劇団

作:高取英 

演出:卓草四郎

七ツ寺共同スタジオ
11月 第2弾 おいらはドラマ

作:菊永洋一郎 

演出:矢野健太郎

鈴蘭南座

1981年より矢野健太 郎プロデュースとして3本の公演後、矢野健太郎・卓草四郎・守乱丸・小熊ヒデジ・入馬券らを中心に旗揚げ。

第2弾「おいらはドラマ」で初の共同台本を菊永洋一郎名義で上演する。劇団員が楽器演奏をし歌って踊るてんぷくミュージカル。鈴蘭南座にて9ステージという大胆な公演を行うが最小観客数11人という記録を作る。ちなみにCASTは12人。  

 

 

1986年(昭和61年)    
3月 第3弾 弥生町酔歌

作:巽悟狼 

演出:入馬券

七ツ寺共同スタジオ
8月 第4弾 西遊記・風の巻

作:平山麗子 

演出:平山聡

七ツ寺共同スタジオ

第3弾は巽悟狼が学生時代に主催劇団に描き下ろした作品を発掘。以後「弥生町」はシリーズ化され、劇団の節目に上演されている。

前年より恒例となった夏のキャンプで若狭湾の海水浴場に5日間も滞在す る。全員真っ黒に日焼けし、9月公演の情宣写真を撮るときメイクがのらず演出に怒られる。

演出の平山氏は当時中京TVで演出をしており担当番組で宣伝してくれたので予想外のお客が押しかけたため最終日、急遽追加公演を決定する。

 

 

1987年(昭和62年)    

2月

第5弾

恐竜〜DANCING DINOSAURS〜

作:桑名名子 

演出:菊永洋一郎 

七ツ寺共同スタジオ

5月

番外公演 天空の城アピタ

作演出:菊永洋一郎

生活創庫アピタ

1F特設ステージ

6月

第6弾

あ、こちらリゴンドラ〜遥かなる海原千里万里

作:のりしまのりお・ティシューおぐま

演出:小熊ヒデジ

七ツ寺共同スタジオ

10月

第7弾 我が家

作演出:菊永洋一郎

原案:のりしまのりお

七ツ寺共同スタジオ
 前年公演が好評で調子に乗る。調子に乗って1年に3公演敢行。5月の番外 公演は七ツ寺共同スタジオの15周年企画。名駅西口の生活創庫アピタ(現・ビックカメラの建物)1階と5階で在名劇団が日替わりで1時間ほど出演する企画に参加。6月の 公演の稽古をそっちのけでコントの練習に励む。

 

1988年(昭和63年)    

3月

第8弾 シンガポールナイト

作:沖田騒児

脚色:てんぷくプロ

演出:小熊ヒデジ

七ツ寺共同スタジオ

8月

第9弾 赤ずきんちゃんの食卓

原案:井上知也

作:菊永洋一郎

演出:矢野健太郎

七ツ寺共同スタジオ

 第9弾は、名古屋の裏方にはなくてはならぬ井上知也の学生時代の脚本を元に台本を作る。しかしできあがったのは赤ずきんとオオカミの出てくるコント集。元のお話しはすっかりどこかへ行ってしまった。知也さんごめんなさい。

この年の冬、日比野にアトリエをかまえる。10年後位には道路拡幅工事のため立ち退きが決まっている地域。それまで借り続けてくれるなら、内部はどう改装 してもOKの物件だったので一ヶ月かけて壁を抜き舞台装置と同じやり方で床を作る。

 

 

1989年(平成元年)

2月

第10弾

野良犬の歌 

弥生町酔歌2

作演出:法嶋伸雄

七ツ寺共同スタジオ

8月

てんぷくプロデュース

スローバラード

原案:法嶋伸雄

脚色:斉藤敏明・浅野則子

演出:斉藤敏明

白川公園

NAGOYA演劇遊戯祭

特設テント

10月

番外公演

我が家

シャインズ公演

作:菊永洋一郎

演出:矢野健太郎

豊田自動織機

社員会館SHAIN'S

12月

協力公演

北村想の大テント

サンタは今夜やってくる

作:北村想

演出:斉藤敏明

久屋大通公園

特設テント

野外で大勢人の出る公演をやりたいなあ、という野望が第1回NAGOAY 演劇遊戯祭に発展する。初のプロデュース公演は50人近い人が関わり“大勢の皆様と共に走る”をキャッチフレーズに。

10月の番外公演は豊田自動織機の社員家族向け文化行事の一つとして依頼された。12月は東海テレビ主催のクリスマスイベント。一般公募の市民を含めて約100人が出演した。

 

 

1990年(平成2年)    

4月

第11弾

レモンのお尻

作:影戸誠

演出:矢野健太郎

七ツ寺共同スタジオ

8月

第12弾 スバニム王伝説

作:よいこりか・今日アスカ・YURIKO~N・うえだしおみ

演出:小熊ヒデジ・今日アスカ・YURIKO~N・うえだしおみ

七ツ寺共同スタジオ

各自1本ずつ台本を書こう!という宿題に集まった台本4本をオムニバスで 上演したスバニム王伝説。ジル豆田は4本全部に出演した。

 

 

1991年(平成3年)    

2月

第13弾

錠剤、

ラムネかもしれない−ペスト病院大夢国

作:テテまる

演出:小熊ヒデジ

七ツ寺共同スタジオ

5月

プロジェクト・ルナ 月光少女

作演出:みなとかおる(みーくんオフィスプロジェクト)

鶴舞公園普選壇野外ステージ

8月

てんぷくプロデュース ダム・ウエイター

作:ハロルド・ピンター

演出:矢野健太郎

金融品販売秘宝館

野外で大勢人の出る芝居がまたやりたいなあ、という野望がプロジェクト・ ルナに発展する。最終日は大雨。お客さんにはビニール合羽を配ったが予想以上の来場者のため足りなくな り、最後は黒いゴミ袋を被ってもらった。

8月、初のアトリエ公演。金融品販売秘宝館と命名される。この公演のためアトリエのクーラーを修理、2年ぐらいはなんとクーラーが効いてたんです

 

 

1992年(平成4年)    

1月

第14弾

あ、こちらリゴンドラ〜遥かなる海原千里万里

作:のりしまのりお・ティシューおぐま

演出:矢野健太郎

七ツ寺共同スタジオ

8月

第15弾 豆の手

作:テテまる

演出:みなとかおる(みーくんオフィスプロジェクト)

金融品販売秘宝館

11月

七ツ寺共同スタジオ20周年記念公演

高丘親王航海記

原作:澁澤龍彦

構成演出:天野天街

白川公園

野外ステージ

この頃から七ツ寺での公演とアトリエ公演を交互に行う体制ができる。

七ツ寺共同SDの記念公演に参加、みんなで少年王者体験をする。早朝 (7:00~)のTV番組にも出演し、朝稽古風景を披露するがこれは完全なヤラセ。そんなこと全くやってません。

 

 

1993年(平成5年)    

4月

第16弾

正調・姿三四郎

作:平山麗子

演出:小熊ヒデジ

七ツ寺共同スタジオ

7月

第17弾 会議

作:別役実

演出:矢野健太郎

金融品販売秘宝館

4月の公演は矢野健太郎プロデュース時代の脚本。少年王者舘の役者にして遊星ミンツの歌姫珠水作曲の「不動心音頭」はじめ、全編に歌と踊りが散りばめられたてんぷくミュージカルに仕上がる。

7月公演のため別役実に上演許可を求める手紙を書いた。白い紙に「上演を 許可する」とだけ走り書きされた自筆の返事が届き一同感激する。

 

 

1994年(平成6年)    

3月

春のコント祭り

ナヘナ・フィフィタ・ウリウリショー

  金融品販売秘宝館

5月

てんぷくプロデュース

巷談・風鈴横丁

作:赤染歌丸

脚色演出:天野天街

七ツ寺共同スタジオ

8月

地能博参加公演

フラダンス革命

with少年王者舘・遊星ミンツ長谷川久

構成演出:天野天街

若宮大通公園内特設会場

繭劇場

10月

第18弾

花の都ミュージックホール

キャンドル演劇基金助成公演

作:よいこりか

演出:小熊ヒデジ

七ツ寺共同スタジオ

入場料500円ぽっきり、3日間限定、公演告知はDM限定のゲリラ公演 「春のコント祭り」。ここで披露されたナヘナフィフィタ島先住民の踊りりウリウリ・ダンスはその後、地能博(地域芸能強化向上博覧会)他イベント等で何度も踊られた。

5月のプロデュース公演は天野天街に演出を依頼。少年王者舘のスタッフ、看板女優月宵水とともにてんぷくの役者も王者感満載の芝居に浸かる。

10月の公演は初日に台風が中部地方を直撃する。しかも終演時間の午後10時は雨風が一番激しい頃だったが普通にお客を送り出す。

 

 

1995年(平成7年)

1月

名古屋市青演劇鑑賞会

巷談・風鈴横丁

作:赤染歌丸

脚色演出:天野天街

名古屋市芸術創造センター

2月

第19弾

宇宙船ババスの沈黙

作:テテまる

演出:小熊ヒデジ

金融品販売秘宝館

5月

第20弾

弥生町日記 夕焼けに豆腐屋の喇叭がプー

作:巽悟狼

演出:入馬券

七ツ寺共同スタジオ

10月

第21弾

罪業人

名古屋市民芸術祭参加作品

作演出:森下さとい

金融品販売秘宝館

実はこの年で10周年だった。そういえば10周年記念で第20弾が企画さ れたような気もする。でもチラシや当時の情宣資料にも全く10周年はふれられていなくていつも通りに公演が行われた。たぶん、忘れていたんだろう。

脚本を書ける若者が増えて公演数が多くなった。なぜかみんな不条理劇。結果、金融品販売秘宝館では平成9年まで既成台本を含め不条理劇ばかりが上演されていた(←令和になってから気がついた)。

 

 

1996年(平成8年)    

4月

てんぷくプロデュース

帰郷

作:ハロルド・ピンター

演出:菊永洋一郎

金融品販売秘宝館

8月

第22弾

スローな未来にしてくれ

〜御中〜

作:菊永洋一郎

演出:入馬券

七ツ寺共同スタジオ

金融品販売秘宝館にはネズミ捕り要員として猫のアシュコが住んでいた。普段は開演前のお客の膝に乗ったりしておもてなしに余念がなかったのだが「帰郷」ではついに舞台に登場、女優デビュー!抱いて袖に捌けさせていた役者が舞台上で倒れるきっかけを逃すというオマケ付き。

「スローな未来にしてくれ」の千秋楽、劇団員・沢田野マリリンの双子の姉が飛 び入り出演する。分身の術のような登場に客席は狐につままれたようだった。

 

 

1997年(平成9年)    

2月

第23弾

お前にも罪がある

作:安部公房

演出:入馬券

金融品販売秘宝館

このころは金融品販売秘宝館にも壁がいっぱいあったし窓もふさぐことがで きたので、明かりが入らないようにしてマチネ(昼公演)が可能だった。この芝居以降マチネは行われていない

 

 

1998年(平成10年)    

6月

第24弾

へ・ち・ま

作:菊永洋一郎

演出:小熊ヒデジ

金融品販売秘宝館

道路拡幅工事のための立ち退き話が本格化し最終公演を行う。千秋楽は「伝説」の超満員。幕が開 いたら、舞台の上にもお客さんがいっぱい座っていた。通路(台所)から見た人、(舞台装置の)窓の外から見た人、オペ室に立って見た人などホントに皆さん ありがとうございました。

 

 

1999年(平成11年)

5月

てんぷくプロデュース

現場の不発弾

作:菊永洋一郎

演出:小熊ヒデジ

金融品販売秘宝館跡地

10月

第25弾

サンダル・ビーチ

作:菊永洋一郎

演出:小熊ヒデジ

金融品販売秘宝館跡地

立ち退き話が立ち消えになる。最終公演があれほど盛り上がってしまったの で、またやりますとは言い出しにくい。でも、1回ぐらいならいいかなとプロデュース公演を行う。会場名は金融品販売秘宝館跡地とする。5月の公演はてんぷ く初の女優だけの芝居。その後、もう1回ぐらいは、と第25弾を決定する。

 

 

2000年(平成12年)    

6月

第26弾

ネヴァダの月

作:菊永洋一郎

演出:小熊ヒデジ

金融品販売秘宝館跡地

この公演の台本を作るため、みんなで手分けしてアメリカの歴史を調べた。 インディアン史、西部開拓史、ガンの歴史、衣装の変遷など。日本で一番19世紀のアメリカ史に詳しい劇団になったかも。

ちなみにもう、当たり前にアトリエ公演を続けているし、何なら今までは自重していたが舞台づくりに邪魔な壁をどんどん壊して好きなように舞台を広げだす。

 

 

2001年(平成13年)    

3月

第27弾

トランジット・ルーム

作:菊永洋一郎

演出:小熊ヒデジ

金融品販売秘宝館跡地

9月

第28弾

ローラン

作演出:ヨコヤマ茂美

金融品販売秘宝館跡地

前回公演で舞台と奧の事務所兼楽屋との壁を半分取り払ったが、「トランジット・ルーム」で壁が完全に無くなる。舞台の奥行きが二倍になるが、大きいと装置を作るのが大変なことがわかった。舞台美術は小森祐美加(ハイジ)の全面協力。

 

 

2002年(平成14年)    

5月

第29弾

終わらない歌

作:巽悟狼

演出:小熊ヒデジ

金融品販売秘宝館跡地

いよいよ、本当に立ち退き期限が迫る。金融品販売秘宝館最終公演、当然のように家の外壁もぶち抜く。 隣の使われていない駐車場も舞台として使おうとして、土地の持ち主に怒られる。他にも家の外でトランペットを吹くなどご近所がほとんどいなくなったのをい いことにやりたい放題だった。

6月いっぱいで荷物をすべて運び出さなくてはいけなかったので、本番後は毎日ゴミ捨てに追われる。

 

 

2003年(平成15年)    

3月

第30弾

くもりときどきデンキ

作:菊永洋一郎

演出:小熊ヒデジ

翔UPファクトリー

12月

第31弾

パーマネント・ピース

作:菊永洋一郎

演出:小熊ヒデジ

アトリエツバキハウス

金融品販売秘宝館を離れて初めての公演は劇団翔航群のアトリエで。人間が 一人も出てこないこの芝居、知り合いに聞かれるととても困った。「今度はどういう役なの?」「自販機。(orトースターorテレビetc)」

「パーマネント・ピース」は元風呂屋の脱衣所であるクセックACTのアトリエをそのまま活かしたセットを作った。「そこにあるものは現金以外何でも使って ください」と言ってくれた、太っ腹なクセックさんに感謝!

 

 

2004年(平成16年)    

10月

てんぷくプロ・単3ホルモン電池

合同公演

サンダルビーチ2

作:菊永洋一郎+ホルモン発電所

演出:小熊ヒデジ

G/pit

8月、この公演の取材を(無理矢理)兼ねて単ホルの皆様と共に三河湾で キャンプをした、当日はなんと台風が通過中。強風の中、雨合羽を着て焼肉パーティーを強行。ちなみにこの公演がG/Pitのこけら落としなのだが、わりと知られていない。

 

 

2005年(平成17年)

5月

第32弾

てんぷくプロ20周年記念公演・七ツ寺共同スタジオ提携公演

弥生町の空

作:巽悟狼

演出:菊永洋一郎

七ツ寺共同スタジオ

8月

KUDANproject

共催公演

百人芝居◎真夜中の弥次さん喜多さん

原作:しりあがり寿

脚本演出:天野天街

愛知県勤労会館(つるまいプラザ)

いままで5周年、10周年とこれといって特別なことはせずやり過ごしてき た。だが、さすがに20周年。ここは一つパーッと祝おうと記念公演を企画。8月の「弥次喜多」がすでに決定していて動き出しているのに、「その合間を縫っ てやっちゃえ!」と記念公演にしては少々乱暴。久々の七ツ寺公演は楽しかった。

 

 

2006年(平成18年)    

10月

第33弾

紅白殺人合戦〜お婆ちゃんには手を出すな

作:北村想

演出:菊永洋一郎

G/pit

北村想が25年前に書いた幻の台本を時代設定もそのままに上演したこの作 品。当時のギャグや流行り物などわからない若い観客と出演者のためにパンフレットに「用語集」を載せた。誰ですか、千秋楽が終わってから「へー、そういう 意味なんだ~。」って言ってる出演者!

 

 

2007年(平成19年)    

5月

演劇博覧会カラフル2

参加作品

France

作演出:菊永洋一郎

長久手文化の家*・風のホール

9月

第34弾

超立体朗読劇

怪人二十面相

原作:江戸川乱歩

演出:菊永洋一郎

アトリエ昭和薬局前

若い演劇人のフェス的な催し物に参加。制限時間があり、それを超えると強制的に幕が閉まると聞いていた。稽古ではどうやっても時間内に収まらないので、幕が閉まる前提の演出も考えた。なので、実際は閉まらなかった時、役者が一番焦った。*現・長久手市文化の家

新しいアトリエのお披露目も兼ねた超立体朗読劇。例年にない残暑の中、8 畳+4畳半の座敷に連日30人超のお客様。クーラーも扇風機もフル稼働でも間に合わずみんな汗だく。舞台の上には汗の水たまりが出来るほど。会場から出て きたお客様はまるでお風呂上がりのよう・・・。

 

 

2008年(平成20年)

11月

第35弾

はだしで走れ

作演出:平塚直隆(オイスターズ)

七ツ寺共同スタジオ

当時、全国の戯曲賞で佳作を取り続けていた”佳作の男”平塚直隆氏の未舞台化戯曲を取り上げることに。ついでに演出もお願いする。脚本はてんぷくに合わせて大幅に改 訂。っていうか設定以外原形をとどめていなかった。この芝居の舞台は間口約14m奥行き1.8mと横に長〜い。七ツ寺は元々舞台・客席が自由に配置できるようにはなっ ているが、基本ルール無視のこの配置、舞台よりも客席を作る方が難しかった。

 

 

2012年(平成24年)    

9月

七ツ寺共同スタジオ40周年記念公演

東京アパッチ族

作:坂手洋二

演出:小熊ヒデジ

七ツ寺共同スタジオ

11月

第36弾

へ・ち・ま

作演出:菊永洋一郎

七ツ寺共同スタジオ

七ツ寺の周年公演に「劇団」で参加するのは実に20年ぶり。役者30人以上が集まった真夏の稽古場はなんとクーラーなしの物件。途中でトイレも壊れる。楽屋もギュウギュウで本番が始まるまで外で時間を潰す役者もいた。

外部出演や外部での演出など劇団員の活動が増えて、スケジュール調整が難しくなったため、第36弾は実に4年ぶりの本公演。夏の七ツ寺公演で知り合った若い演劇人を役者やスタッフに迎えて、多少の若返りを図る。2時間超の台本を会館退出時間に間に合わせて終わるために、開演時間の10分前、まだお客が入場して い る時間に強引にプロローグをスタートさせる。

 

 

2014年(平成26年)    

11月

第37弾

ふなぞこ

作:菊永洋一郎

演出:いちじくじゅん

七ツ寺共同スタジオ

てん ぷくプロは劇団員の話し合いによるオリジナル脚本(菊永洋一郎名義)での公演をたびたび行っているが、この形式での新作は約10年ぶり。実はこの話の構想は15年 以上前から。生演奏やなま歌、ダンス、劇中劇と盛りだくさんで気がついたら上演時間が(前回に続き)2時間を超えそう。仕方がないのでエピソードをひとつ終演後のおまけにする。

 

 

2016年(平成28年)    

9月

第38弾

トランジットルームii

作:菊永洋一郎

演出:いちじくじゅん

七ツ寺共同スタジオ

2 年ごとに本公演のペースができてきた。今回は2001年に上演した「トランジット・ルーム」の改変版。劇団員の高齢化に伴い登場人物も中高年が増える。 が、作品の目玉として、ダンスの振付をコンテンポラリーダンサー・振付家の服部哲郎氏に依頼。50代、60代が必死で踊る。意外にキレがよいと評判に。

 

 

2017年(平成29年)    

9月

第39弾

超・立・体朗読劇

五色の船

作:津原泰水(河出書房新社刊11ereven収録)

演出:いちじくじゅん

アトリエ昭和薬局前

2 年に1回の本公演だけじゃ淋しいから、久しぶりにアトリエ公演でもやろうか、と朗読劇を企画。どうせみんな憶えていないから、と、前回使った小道具や装置 や仕掛けも10年ぶりに直して使う。物持ちが良くて良かった!新しい小道具も平面のミズシオ(水野詩織)・立体のミナホ(ハラミナホ)の活躍ですばらしい クオリティに。

 

 

2018 年(平成30年)    

11月

第40弾

カモナマイハウス

作:菊永洋一郎

演出:いちじくじゅん

七ツ寺共同スタジオ

このお芝居の舞台は古い洋館の居間。それっぽい家具が必要。舞台装置や置き道具は普段たいていの物は作ってしまうが、ソファや絨毯はさすがに無理!ということで名古屋の激安リサイクルショップ・キンブルで探す。や、安い!本革張りのソファ4000円、マントルピースに飾る雉の置物100円など。終演後にはすべて再度売り払った、が、ソファ以外は値段がつかなかった。

 

 

2019 年(令和元年)    

10月

第41弾

ネヴァダの月

作:菊永洋一郎

構成演出:ニノキノコスター(オレンヂスタ)

七ツ寺共同スタジオ

舞台装置を作るのに、舞台監督の鈴木(ちょこ)氏の知り合いから廃屋の木材を大量に貰い受ける。パネルやベニヤでできた舞台に比べ「本物」の廃材の存在感はハンパなく、重厚な廃墟の町が出来上がる。木材の重さはパネルの比じゃないので、搬入・搬出はいつにない重労働だった。
 

 

2022 年(令和4年)    

1月

第42弾

超立体朗読劇

深夜の市長

作:海野十三

構成演出:小熊ヒデジ

アトリエ昭和薬局前

前年6月に公演を予定していたが新型コロナの何度目かの感染拡大で約半年の延期に。準備期間が伸びたせいもあり美術や仕掛けのこだわりがどんどん増えていく。ついには本番中にも新しい仕掛けが増えたり舞台上の飾りが増えたり。転換も多くて9人のキャストは舞台に出ている「以外」の時間がとても忙しかった。